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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
厚生福祉委員会
視察先
佐賀県 武雄市
視察案件
新武雄病院について
実施日
平成25年10月22日
参加者氏名
岩谷一弘、松本浩一、金子 進、渡辺浩美、井上英治、川鍋秀雄、中川 朗

視察結果概要

(1)視察先の概要
 武雄市は、佐賀県の西南部に位置し、東西19.4キロメートル、南北18.4キロメートル、面積195.44平方キロメートルの杵藤地区広域市町村圏域の中心都市です。平成18年3月に旧武雄市・山内町・北方町の1市2町が新設合併し、武雄市が誕生しました。
 大部分が山地で山林面積は50%を占め、松浦川と六角川の源流を持ち、武雄盆地内を武雄川・高橋川などの小流が六角川に注いでいます。市の中心部には、舟の形をしたシンボル的な山「御船山」、西部には谷を挟んで向きあう雌岩・雄岩、「21 世紀に残したい日本の自然百選」にも選ばれた「黒髪山」、樹齢3,000 年を越える3 本の大楠があり、雄大な山々と豊かな自然に囲まれています。
 また、1300年を越える温泉郷、400年以上の歴史を誇る陶芸の里、巨木の里としても広く知られています。

(2)視察内容
 武雄市民病院は、平成19年当時、多額の赤字(過去8年間で6億3800万円の赤字)や医師不足等、運営について様々な問題を抱えていました。このままの運営が続くと、市民病院の赤字はさらに増加し、病院の運営が危機に陥ってしまい、市民に充実した医療の提供ができなくなります。そこで、経営形態の見直しをはかるべく、市民病院の民間移譲を決意しました。市民病院の民営化を巡っては、市長と医師会で激しい対立がありました。そこで市長自ら辞職し、再び市民の信を得て当選し、市民病院の民営化となりました。
 民営化の結果として、赤字は解消され、医師の派遣により早期に救急医療も再開し、市民の医療ニーズに対応した診療体制の整備が可能となりました。
 新武雄病院は、武雄市民病院がこれまで果たしてきた地域医療の役割を引き継ぎ、さらに救命救急医療や高度医療の面においても発展させて、地域に貢献することを目指し、地域医療崩壊に対する医療再生のモデルケースの先頭に立てるよう取り組んでいます。
 また、平成23年6月1日、国道34号沿いにヘリポートを備えた新病院を建設し、緊急・広域の救急要請にも対応が可能となり、24時間、365日、誰もが安心して医療を受けられるように救命救急を拡充させるとともに、他の医療機関との連携をはかっています。

(3)視察から得られた考察
 市長就任時の武雄市民病院は、毎年の累積赤字と医師不足、救急救命医療ができないという状況であり、どのように解決するかを検討した結果、民間の医療機関に移譲することにしたそうです。
 民間移譲までの道のりは厳しいものがありましたが、市民病院の民間移譲という選択は、市民にとって最良のサービスを実施する事に繋がったと思います。
 市立病院の民間移譲はどの地域でも参考にできるものではなく、一部の条件のそろった地域の病院にのみできるものであると思います。しかし、市民の健康と命を守るため、民間移譲を選択した市長の決意は見習うべきことだと感じました。
 新武雄病院の中も案内していただきましたが、広く清潔な受付待合室や開放感溢れる談話室、全体を見渡せるよう工夫されたICUルームなどがあり、全体的に明るくゆとりのある印象を受けました。また、受付の方をはじめ、看護師、リハビリテーションスタッフも明るく、生き生きと仕事をしておりました。
 現在、春日部市では市立病院の建て替えを計画していますが、市民の健康と命を守ることを最優先に考え、取り組んでいきたいと思います。

視察の様子
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