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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
総務委員会
視察先
福島県 南相馬市
視察案件
南相馬チャンネルについて
実施日
平成25年10月28日
参加者氏名
武 幹也、佐藤 一、秋山文和、片山いく子、河井美久、小久保博史

視察結果報告

(1)視察先の概要
 南相馬市は、平成18年1月に旧小高町、旧鹿島町、旧原町市の1市2町が合併して誕生した市です。太平洋に面した福島県浜通りの北部に当たり、いわき市と仙台市のほぼ中間に位置します。東日本大震災では、震度6弱を観測し、市の面積約398㎢のうち、沿岸部の約40㎢で津波の被害を受けました。また、福島第一原子力発電所の事故によって、市内が避難指示区域と屋内退避区域と指定なし区域の3つの区域に分断され、多くの市民が市外に避難した経験をもつ自治体です。その後、屋内退避区域が緊急時避難準備区域となり、屋外での生活も可能になったことから自宅に戻る住民も増えてきましたが、震災前の人口に対して、まだ1万5千人が帰還していない状況にあるとのことでした。現在、復興計画に基づき、「心ひとつに 世界に誇る 南相馬の再興を」をスローガンに早期復興に取り組んでいます。

(2)視察内容
 南相馬チャンネルは、東日本大震災後、市民の早期帰還を促し、震災以前以上の復興を目指すために行われている事業で、市内に居住する市民にはテレビ電波で情報を提供し、市外に避難をしている市民にはインターネットを利用して情報を提供する新たなシステムとして整備されているものです。もともと南相馬市と友好関係にあった富山県南砺市と石川県のベンチャー企業で進められていたプロジェクトでしたが、震災後の状況の中、南砺市長からの提案とベンチャー企業から支援を受けて導入が決まったものであるとのことでした。この新たな情報発信ツールは、電波の混信を避けるために使用されていなかった周波数領域を活用した実験放送であり、当初は市内の一部の地域だけで行われていました。しかし、市内全域かつ全国に避難した市民についても同様なテレビ放送を提供したいとの考えから、国の支援を受け市内に地上一般放送(エリア放送)とインターネット放送施設の整備を行ったものです。現在では、市内のイベント情報、復興状況、放射線量などの復興に関する番組を放送するとともに、防災行政無線と連携した情報提供が行われてます。

(3)視察から得られた考察
 地上デジタルテレビがあれば、市内の復興状況などを動画や文字放送で受信することが可能で、「見る」、「聴く」、「読む」の3つの媒体を様々に得ることができるため、情報弱者でも情報の収集が容易であるとのことでした。このシステムでは、市内の方は一般放送(エリア放送)として家庭用テレビで受信することができるため、パソコン操作が苦手な方でも容易に情報を得ることができます。やはり一定の世代の方々にはパソコンの操作は難しく、家庭用テレビのボタンをひとつ押すだけで専用のチャンネルに接続させることができる南相馬チャンネルは、特に高齢者にやさしい情報ツールだと感じます。なお、このシステムでは、仮に津波注意報や警報が発表された場合、自動で南相馬チャンネルの画面に切り替わり、国が設置している定点カメラの映像も確認できることから、市民一人ひとりが危機管理を行う上でも非常に有効なシステムであると考えます。本市においても災害発生時には、被害の状況把握やその後の対応に関する情報発信などを迅速に行う必要があります。費用対効果や緊急時の有効性などを十分に検討しながら、本市に適した情報ツールを選択していくことが求められるていくものと考えます。

視察の様子
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