各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 春和会
- 視察先
- 兵庫県 赤穂市
- 視察案件
- 水道事業について
- 実施日
- 平成25年2月6日
- 参加者氏名
- 小島文男、小久保博史
視察結果概要
(1)視察先の概要
赤穂市は、兵庫県の南西端部に位置し、岡山県との県境に位置する市。旧赤穂郡。
赤穂市は一市で赤穂都市圏を形成している。古くから塩田が栄え(入り浜式製塩)、生産されている塩は「赤穂の塩」として全国に流通している。元禄赤穂事件(忠臣蔵)の舞台となった赤穂城や、古い港町の町並みが残り、牡蠣の養殖が盛んな坂越、国立公園で赤穂温泉のある御崎などで知られている。家島への海底送水管(延長約14km)は、日本国内最長、最大規模である。
(2)視察内容
水道料金が全市の中で一番安い設定の事業内容や安価な理由について。
@現況(平成23年度実績)
・給水人口 50,835人 ・普及率 100% ・給水件数 22,072件
・取水配水能力 55,515㎥/日 ・平均配水量 37,457㎥/日
・1人1日当たり給水量 521ℓ/日(分水除く)
A料金
・一般家庭等の水道料金 平均 56円/㎥ (家庭用10㎥/340円)
・法人(特定事業者)の水道料金 平均 99円/㎥
※特定事業者 月量 3,000㎥以上使用する法人 現在17社
※給水収益843,552千円中、約39%が特定事業収入
・分水(離島へ給水14キロの海底送水管、相生坪根)平均95円/㎥
B安価な理由
1)水源が市街地の配水区域に約4キロと近いので、施設・設備の維持管理が安価で済む事。
2)水量豊富な原水が大変綺麗で水質も良く、薬剤の注入コストや機械設備のメンテナンスに優れ、運営管理費用が安価で済む事。
3)水道施設の建設が今から約30年前と比較的早くに完成し、企業の水需要も安定しているため急な設備投資(二重投資)もなく推移してきた事。
4)風水害、地震等による大きな被災もなく、経年劣化分の維持管理が主な費用で安定した事業経営が続けられてきた事。
5)特定事業者と分水の合計使用水量と個人分の使用水量は、ほぼ同量となっているが、料金の負担割合は一般分43%、法人と分水で57%となっており、一般家庭の単価が低く抑えられる。
(3)視察から得られた考察
本市の水道料金は、基本料金2か月16㎥ 13mm口径1,700円となっている。首都圏は比較的料金が高い傾向にある中で、安定した事業経営内容ではあるが、県水が9割を占める中では、県水の単価に左右されてしまうという状況にある。
赤穂市は、今後、老朽施設の更新や施設の耐震化、避難所等の飲料用大型貯水槽設置の検討、建設改良事業に伴う料金設定の検討をするとの事。
全国の自治体で同様の課題を抱えている事が再確認できた。また、地域の条件が異なるため、料金での比較はしないが、今後も安定した事業経営・安心な水の供給が行えるようしっかりとした議論の必要性を再認識した。

視察の様子