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所得税法第56条廃止を求める意見書を国に提出することを求める請願

請願第6号 所得税法第56条廃止を求める意見書を国に提出することを求める請願

受理番号
請願第6号
受理年月日
平成29年5月26日
委員会付託日
平成29年5月30日
付託委員会
議決結果
不採択
議決年月日
平成29年6月15日
紹介議員
松本浩一、卯月武彦、大野とし子、坂巻勝則、今尾安徳
並木敏恵

請願の内容

受理番号:請願第6号
 所得税法第56条廃止を求める意見書を国に提出することを求める請願

件 名
 所得税法第56条廃止を求める意見書を国に提出することを求める請願
要 旨
 所得税法第56条を廃止するよう国に意見書を上げてください。
理 由
 地域経済の担い手である中小業者の営業は、家族全体の労働によって支えられています。従業員に労働をさせた場合には賃金は経費になりますが、家族従業者が家業で同じ労働した事実があっても、その労賃を経費にする事を所得税法第56条は禁じています。家族従業者はどんなに働いても所得は認められず、事業からの法律上の控除が、配偶者86万円、その他の家族は50万円です。8時間労働の所得として換算すると時給358円と208円となり、労働基準法の最低賃金の半分にもなりません。そのため、家族従業者は、住宅や車のローンが組めず、交通事故の補償日額は専業主婦5,700円に対して、事業専従者の配偶者は2,356円程度で、余りに低い日額です。家族従業者の労賃が組み込まれないため、下請け単価も低単価・低工賃になっています。労賃の無い基準で様々な社会保障が計算され、大きな社会的損失を受けています。この条文は、家族従業者の個人としての基本的人権を認めず、法の下の平等に反し、家族従業者の社会的自立を侵害し社会的不利益をもたらし、それが零細事業者の衰退に拍車をかけ、後継者不足の一因ともなっています。
 所得税法第56条は、明治20年の所得税の施行に伴い、明治時代の戸主制の下に制定された封建的な世帯課税の考え方が、そのまま残っているものです。戦後シャウプ勧告により、基本的人権を尊重した個人単位課税が原則の現行法が施行されましたが、家事関連費との区別が困難、所得隠しを防ぐなどを理由として、農業や漁業を含む自営業者のみ世帯課税が正当化されてきました。70年近くたった今、社会状況も大きく変化し、パソコンやスマホなどの普及もあり、個人事業主も9割近くが家計と事業収支を分け記帳しています(全婦協アンケート)。平成26年1月からは、法律で全ての事業者に記帳が義務付けられ、申告の仕方で差をつける根拠がなくなりました。また、法律に依る申告の基本は白色で、青色での家族への給与支払は、あくまでも税務署長の許可の下の特典です。労働対価を得る基本的人権の認否を特典で決めること自体が、差別であり憲法上問題です。
 女性の労働分野への進出もめざましく、夫婦間や女性自身の労働への意識も大きく変化しています。家族従業者の8割は女性です。昨年には国連の女性差別撤廃委員から「家族経営における女性の労働を認めるよう所得税法の見直しを検討することを求める」と日本政府に勧告が出されました。春日部市男女共同参画推進条例の基本理念でも「性別による差別的取り扱いを受けないこと、男女の人権尊重及び自らの力を発揮できる社会を目指す」と謳われています。多くの主要国では、家族従業者の人格・人権・労働を正当に評価し、その働き分を必要経費に認めています。
 所得税法第56条廃止の意見書を国会に上げた自治体は平成29年5月11日現在で483自治体にのぼり、地方経済衰退の一因に所得税法第56条を上げた自治体の意見書もあります。平成26年6月には従業員5人以下を対象とした「小規模企業振興基本法」が制定され、国とすべての自治体に小規模企業への支援が責務として明確化されました。後継者を育成し地域の疲弊した経済を立て直す意味からも所得税法第56条の廃止が求められています。政府は56条廃止に向けた検討を始めていると答弁していますが、いまだ実現していません。家族従業者が「法の下の平等」により、一人の人間として人格、人権が尊重されるよう所得税法第56条を早急に廃止するよう国に働きかけてください。
 要旨のとおり署名1,132筆を添えて請願します。
 地方自治法第124条の規定により、上記のとおり請願書を提出します。
  平成29年5月19日
 春日部市議会議長 会 田 幸 一 様

会議録

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