現在、テレビ番組への字幕付与は、総務省(旧郵政省)の作成した指針や予算的な補助によって急速に普及し、字幕付与可能な番組のほぼ100%に字幕が付けられるという状況です。
一方、国内で上映される映画のうち「洋画」についてはほとんど日本語の字幕が付いていますが、「邦画」の場合は特別なものを除いて日本語字幕が付いていないのが現状です。聴覚障害者は字幕のない日本映画を楽しむことができません。
昨年、女優の菊池凛子さんがアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたことで注目された映画「バベル」は、約400人の聴覚障害者がエキストラとして参加し、日本の若者も多数出演しました。日本で公開される際、日本語場面だけ字幕が付けられていなかったため、聴覚障害者が署名運動などで改善を要望、その結果、配給会社は公開する全映画館で日本語場面にも字幕を入れて上映しました。
聴覚障害者が映画を楽しむためには、台詞だけではなく電話の呼び出し音、動物の声、車の警笛など画面には現れない音声情報の文字視覚化も望まれます。日本映画への字幕付与は、ユニバーサル社会をめざす「情報バリアフリー」の一環として必要不可欠です。
よって、国及び政府においては、以上の現状を踏まえ、下記の措置を早急に講じられるよう強く要望します。
記
1 情報バリアフリー化のため、日本映画や日本語映像ソフトコンテンツへの字幕付与を義務付けること。
2 誰にでも理解できる字幕付与が行えるよう一定の規格・規定を定めたガイドラインを策定すること。
3 日本映画への字幕付与が進むよう、財政的支援措置を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年6月19日
春 日 部 市 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 江 田 五 月 様
内閣総理大臣 福 田 康 夫 様
総務大臣 増 田 寛 也 様
財務大臣 額 賀 福志郎 様
文部科学大臣 渡 海 紀三郎 様
厚生労働大臣 舛 添 要 一 様
経済産業大臣 甘 利 明 様