埼玉県八潮市の道路陥没事故は、インフラの老朽化がもたらす危険や住民への影響の大きさを表面化させました。
陥没事故現場のすぐ下流にある中川流域の下水道処理施設は、全国に2,200ある下水道事業の中で9番目に大規模な事業です。国が下水道事業の広域化を推進してきたにもかかわらず、点検等の明確な基準を示さず「地方自治体の判断で適切に」と、自治体に任されています。
さらに、国が下水道事業への「公営企業会計の適用」を推奨したため、住民による受益者負担の原則に基づき、独立採算で運営されています。そのため、自治体リストラとともに水道・下水道の技術系職員は激減し、安全・安心を確保する予算も技術も不足しているのが現状です。
今回の事故は国が下水道事業の広域化を無責任に推進してきたことの弊害と言えます。この事故の教訓から、国は自治体任せにせず水道・下水道事業に下記の抜本的な支援を行うことを強く求めます。
記
1 点検を繰り返し行えるよう、市町村の点検費用を国が補助すること。
2 国の「防災・安全交付金」を増額し、地方の要求額に100%応じること。
3 市町村の単独事業となっているインフラの維持管理費を補助対象にすること。
4 八潮市道路陥没事故の復旧工事に係る費用を下水道料金という形で住民の負担を転嫁することがないよう、国が負担すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年3月19日
春 日 部 市 議 会
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
財務大臣 様
国土交通大臣 様