新型コロナウイルス感染の拡大により、入院が必要にも関わらず入院できない「医療崩壊」や、介護を受けたくても受けられない「介護崩壊」が現実となりました。これは、感染対策の遅れはもちろんのこと、他の先進諸国と比べても圧倒的に少ない医師や看護師、介護職員や保健師の不足が根本的な原因です。
日本医療労働組合連合会・埼玉県医療介護労働組合連合会などの団体が取り組んだ「2022年看護職員の労働実態調査」結果では、仕事を辞めたいと「いつも思う」と「ときどき思う」の合計は8割にものぼり、仕事を辞めたい理由(3つまで選択) では、「人手不足で仕事がきつい」6割、「賃金が安い」4割、「思うように休暇が取れない」3割、「夜勤がつらい」2割、「思うような看護ができず仕事の達成感がない」2割などと続きました。
毎年のように発生している自然災害時の対応や、新たな感染症に備えるためにも、平常時から、必要な人員体制の確保を国の責任で行い、対策の中心となる公立・公的病院や保健所の拡充など機能強化を強く求めます。そして国民誰もが安心して医療・介護を利用できるよう、保険料や一部負担金の負担軽減も必要です。
よって、政府におかれましては、安全・安心の医療・介護の実現のため下記の事項について取り組むことを求め、強く要望します。
記
1 安全・安心の医療・介護を実現するため、医師や看護師、介護職員などの配置基準を抜本的に見直し、大幅に増員すること。また、安定した人員確保のためにも、ケア労働者の大幅賃上げを支援すること。
2 医療や介護現場における「夜勤交代制労働」に関わる労働環境を抜本的に改善すること。
@労働時間の上限規制や勤務間インターバル確保、夜勤回数の制限など、労働環境改善のための規制を設け、実効性を確保するための財政的支援を行うこと。
A夜勤交替制労働者の週労働時間を短縮すること。
B介護施設や有床診療所などで行われている「1人夜勤体制」をなくし、複数夜勤体制とすること。
3 新たな感染症や災害対策に備えるため、公立・公的病院を拡充・強化し、保健所の増設など公衆衛生行政の体制を拡充すること。
4 患者・利用者の負担軽減を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年12月16日
春 日 部 市 議 会
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
財務大臣 様
厚生労働大臣 様