民法第750条は、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定めていますが、世界で夫婦同姓を義務付けている国は日本だけです。国連の女子差別撤廃委員会は日本政府に対して三度にわたり、女性が婚姻前の姓を保持することを可能とする法整備を勧告しています。夫婦別姓を可能とする法改正は待ったなしです。
結婚時に改姓するのは、現在も女性が約95%です。姓の変更を強制していることは、仕事や社会生活を送る上での様々な不便・不利益をもたらし、自分のアイデンティティを奪われると感じるなど、個人の尊厳を脅かしています。多くの女性が仕事や研究等で築いた信用や評価を損なう例や、旧姓を通称使用しても金融機関等との取引や海外渡航の際の本人確認、公的機関・企業とのやり取り等に困難を抱えています。
家族の在り方は多様化し、夫婦・家族のかたちは様々です。個人の選択に寛容な社会をつくっていくことが急務です。
夫婦同姓の強要は戦前の家制度の名残です。1996年には法務省の法制審議会が民法改正を答申しましたが、実現されないまま四半世紀が経過しています。近年の世論は選択的夫婦別姓の導入に賛同する意見が高い割合を占め、多くの地方議会でも意見書が採択されています。さらに経団連などからも現行制度は個人の活躍を阻害し、様々な不利益をもたらすとして、早期導入を求める要望が出されています。
よって、政府におかれましては、民法を改正し直ちに選択的夫婦別姓制度を導入することを強く求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年9月20日
春 日 部 市 議 会
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
法務大臣 様
内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 様