本県比企郡嵐山町に所在する独立行政法人国立女性教育会館は、我が国唯一の女性教育に関するナショナルセンターとして、女性教育の振興を図り、もって男女共同参画社会の形成の促進に資することを目的とする機関です。1977年、国が設置した同会館は、今日に至るまで、嵐山町の地を根拠地として男女共同参画や女性教育の振興、女性の地位向上を目指す取組・運動を支援し、世界にその理念を発信してきました。
しかしながら、2023年11月、内閣府などの関係府省より嵐山町に対して、「現行施設を譲渡又は撤去し、主たる事務所を移転することとしたい」旨の意向が示されました。その後、地元嵐山町、埼玉県及び同議会から反対意見が表明される中で、本年7月関係府省は同会館については、「男女共同参画基本計画に定める施策全般にわたって、その推進に資する普及啓発、人材育成、調査研究等を行う『ナショナルセンター』としての機能強化」を図り「新法人の主たる事務所は、引き続き、現在の同会館の所在地に存置する」と移転を撤回しました。
一方で「老朽化した宿泊棟、研修棟、体育施設等の施設については、2030年度までを目途に撤去すべく、新法人設立後速やかに関連工事に着手することを目指す」と施設設備の縮小を決定しました。
男女共同参画社会の実現は、行政の取り組みだけではなく、広く国民的な運動によって推進されていきます。同会館の研修棟・宿泊棟等は、長い歴史の中で多数の女性運動や男女共同参画に資する運動を支援し、人材育成に貢献してきました。男女共同参画社会の形成のためのナショナルセンターとして機能を強化するのであれば、研修機能や宿泊機能等の施設を強化し、会館自ら運動支援や人材育成に取り組むべきと考えます。
よって、国におかれましては、独立行政法人国立女性教育会館の研修・宿泊機能等廃止の撤回を強く求め、強く要望します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年9月20日
春 日 部 市 議 会
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 様
文部科学大臣 様