岸田内閣は7月22日、参議院議員選挙期間中に銃撃を受けて亡くなった安倍晋三元首相について、9月27日に「国葬」を行なうことを閣議決定しました。
岸田文雄首相は、安倍晋三元首相の首相在任期間が最長だったことなどを理由に挙げ、「功績は誠にすばらしいものである」と讃えましたが、安倍晋三元首相の政治的立場や政治姿勢への評価は国民の間でも分かれています。NHKが8月上旬に行なった世論調査でも、「国葬」を行なうことについて、「評価する」と回答した人が36パーセントなのに対し、「評価しない」とする人が50パーセントに達しています。他の多くのマスコミの世論調査でも、「国葬」の実施に対する賛否が分かれているのが実態です。このことは、無法な暴力で殺害された安倍晋三元首相に追悼の気持ちを持っている人のなかでも、安倍晋三元首相の政治的立場や政治姿勢に対する評価が大きく分かれていることを示すものです。
こうした国民の間でも評価が分かれている安倍晋三元首相を内政でも外交でも礼賛する立場で「国葬」として行なうことについては、安倍晋三元首相の政治的立場や政治姿勢を国家として全面的に公認し、礼賛・賛美することにほかなりません。
また、こうした形で「国葬」を行なうことで、安倍晋三元首相に対する弔意を、個々の国民に対して事実上強制することにつながることが、強く懸念されるところです。
誰に対するものであれ、弔意を示すかどうかも含めて、すべて内心の自由に関わる問題であり、国家が弔意を求めたり、弔意を事実上強制したりすることは断じてあってはなりません。
よって、政府におかれましては、安倍晋三元首相の「国葬」をとりやめるよう強く要望します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年9月20日
春 日 部 市 議 会
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
内閣官房長官 様
総務大臣 様