各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 日本維新の会
- 視察先
- 和歌山県 和歌山市
- 視察案件
- 市議会広報(SNSを活用した情報発信)について
- 実施日
- 令和8年7月7日
- 参加者氏名
- 平沢 一博
視察結果概要
(1)視察先の概要
和歌山市は、紀伊半島の北西部に位置し、北は和泉山脈、西は紀淡海峡に面し、紀の川の河口に広がる和歌山県の県庁所在地です。天正13年(1585年)に豊臣秀吉の命を受けた豊臣秀長が和歌山城を築城し、その後、徳川御三家の一つである紀州徳川家の城下町として発展してきました。明治22年(1889年)に市制を施行し、現在では県内最大の人口を有する中核市として、行政・経済・文化の中心的な役割を担っています。大阪から約1時間、関西国際空港からも約30〜40分という交通利便性を有し、豊かな自然や歴史・文化資源にも恵まれています。
人口/ 349,646人(2026年1月1日現在)
面積/ 208.84㎢
(2)視察内容
和歌山市議会では、市民に市議会の活動や役割をより身近に感じてもらい、議会への関心と理解を深めてもらうため、議会広報の改革に積極的に取り組んでいます。
その取り組みは、従来の「市議会だより」を中心とした広報から、紙媒体に加えて、Facebook、Instagram、YouTube などのSNS や動画、テレビ・ラジオ放送など、幅広い媒体を活用した多面的な情報発信へと広がっています。現在も市議会では、議会だよりのスマートフォン配信やSNS による情報発信、公式YouTube での動画配信、議会PR動画の制作など、さまざまな方法で市民への情報発信を行っています。
特に議会だよりについては、平成29年度から見直しを進め、「見やすい、読みやすい、親しみのある紙面づくり」を目指し、従来の議会情報を掲載するだけの紙面から、特集記事などを取り入れ、市民が手に取って読みたくなる紙面づくりに取り組んできました。その結果、中核市議会議長会の議会報コンクールにおいて、2019年から2021年まで3年連続で入賞するなど、議会広報の取り組みが評価されています。
また、若い世代を含め、これまで議会との接点が少なかった市民にも関心を持ってもらうため、動画を活用したPRにも力を入れています。公式YouTubeでは、議会の仕組みを分かりやすく紹介するPR動画などを発信しており、大学生を起用した動画や、ユーモアを取り入れた動画など、従来の議会広報とは異なる手法も取り入れています。
さらに、議会広報委員会と議会事務局が連携して広報活動を進めており、定例会ごとに広報委員会を開催するなど、議会全体として継続的に広報内容を検討・改善する体制を整えています。
今回の視察では、和歌山市議会の議会だよりの紙面づくりやSNS・動画等を活用した情報発信、広報委員会と議会事務局の連携体制などについて学び、単に議会の情報を「伝える」のではなく、市民に興味を持ってもらい、実際に「見てもらう」「読んでもらう」「議会を身近に感じてもらう」ためには、どのような広報の工夫が必要なのかという視点から、本市議会における今後の広報改革にどのように転用することが可能かという観点から視察させて頂きました。
(3)視察から得られた考察
和歌山市議会の広報改革については、議会から市民へ一方的に情報を発信するのではなく、「どうすれば市民に興味を持ってもらい、実際に見てもらえるのか」という視点を持って、広報のあり方を継続的に見直している点が非常に参考になりました。
特に印象に残ったのは、議会だよりを単に議会の開催結果や議案、一般質問などを掲載するだけのものとせず、「見やすい、読みやすい、親しみのある紙面」を目指し、特集記事などを取り入れながら、市民が手に取って読みたくなる紙面づくりに取り組んでいたことです。
また、紙媒体だけに頼るのではなく、Facebook、Instagram、YouTubeなど、それぞれの世代や生活スタイルに合わせた情報発信を行っている点も重要だと感じました。特に若い世代に対しては、議会制度や議員の活動をそのまま説明するだけでは関心を持ってもらうことが難しいため、動画などを活用し、分かりやすく、時にはユーモアも交えながら議会を身近に感じてもらう工夫は、本市議会においても参考にすべき取り組みだと感じました。
議会は、市民の代表である議員が議論を行い、市の重要な意思決定をする場ですが、その議論や活動が市民に伝わらなければ、議会そのものへの関心や理解を高めることは難しいと思います。その意味でも、議会広報は単なる「情報提供」ではなく、市民と議会をつなぐ重要な役割を担っていると改めて感じました。
一方で、広報媒体を増やすこと自体を目的にしてしまっては意味がありません。どの媒体で、誰に、何を、どのように伝えるのかを明確にし、それぞれの媒体の特性を活かして情報発信することが重要だと感じました。また、発信して終わりではなく、閲覧数や市民からの反応、アンケートなどを通じて効果を検証し、次の広報に反映していくことも必要だと思います。
本市議会においても、議会だよりやホームページなどによる情報発信を行っていますが、今後は「議会が発信している」という視点だけではなく、「市民に実際に届いているのか」「市民が読んでみたい、見てみたいと思える内容になっているのか」という、市民側からの視点をより強く持つ必要があると感じました。
特に若い世代や、これまで議会にあまり関心を持ってこなかった市民に対しては、SNSや動画などを積極的に活用し、議会をもっと身近に感じてもらうための工夫が必要だと考えます。また、議員の活動だけではなく、「市議会とは何をするところなのか」「議案がどのように決まるのか」など、議会そのものの仕組みを分かりやすく伝えることも、 議会への理解を深める上で重要だと思います。
今回の視察を通じて、議会広報は「何を発信するか」だけではなく、「どのようにすれば伝わるのか」を考えることが重要であり、時代や市民の情報取得方法の変化に合わせて、議会自身も広報のあり方を変えていかなければならないと強く感じました。
既に本市議会でも取り組んでいる部分はありますが、和歌山市議会の取り組みを参考に、模倣できるところはしっかりと模倣し、本市議会に合った方法を検討しながら、「伝える議会広報」から「伝わる議会広報」へと、さらに改革を進めていく必要があると感じました。

視察の様子