各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 自民・無所属の会
- 視察先
- 熊本県 熊本市
- 視察案件
- 熊本市中心市街地ウォーカブルビジョンについて
- 実施日
- 令和8年7月7日
- 参加者氏名
- 山崎 進、鬼丸 裕史、水沼 日出夫、石川 友和、永田 飛鳳、水書 祐美子、富田 豊、落合 桜花、北谷 大地
視察結果概要
(1)視察先の概要
熊本市は、熊本県の中央部に位置する県庁所在地で、人口約73万人(令和8年4月現在)を擁する政令指定都市です。 西は有明海に面し、東には阿蘇山を望む熊本平野が広がっています。火山性の地層により豊富な地下水に恵まれ、市民の水道水をほぼ100%地下水で賄っている全国でも珍しい都市です。
歴史的には、加藤清正公が築いた熊本城を中心に城下町として発展し、細川家の治世を経て、九州の政治・経済・文化の中心地の一つとして栄えてきました。平成28年(2016年)の熊本地震では大きな被害を受けましたが、着実に復興を進めています。
一方令和2年をピークに人口減少局面へと入り(春日部は令和5年から減少局面)、少子高齢化の進行に伴う交通弱者の増加や社会保障費の増大が課題となっています。
また、路線バス利用者が大幅に減少し、自動車依存が進んだ結果、交通渋滞は他の政令指定都市と比較しても多い状況にあります。
(2)視察内容
令和元年に国土交通省の「ウォーカブル推進都市」に選定され、都市基盤整備を進めてきました。その後、交通・経済・観光・文化・環境など多分野にわたる取組を面的に展開するため、令和7年3月に「居心地のいい 歩いて楽しめる まちなか未来図(熊本市中心市街地ウォーカブルビジョン)」を策定しています。
視察では、「まちに出かけたくなる」「歩きたくなる」ウォーカブルなまちの実現に向けた、「つくる」「つかう」「つなぐ」の3つの方向性に基づく施策について説明を受けました。
防災機能を備えた人中心の都市空間を形成するため、10年で100件の建て替え目標を掲げ、建築基準の緩和や財政支援を実施しています。また、快適な歩行空間や良好な景観形成を目指した道路空間の利活用、多様な移動手段の提供としてシェアサイクルの導入、さらに駐車場適正配置に向けた財政支援や条例改正など、官民が連携して取り組む様々な施策について、丁寧に説明していただきました。
(3)視察から得られた考察
熊本市ではウォーカブルビジョン策定に当たり、中心市街地にお住いの方々や商店街、事業者など、多くの関係者意見を聴き、その内容をビジョンに反映させるとともに、イラストを活用して分かりやすく表現しています。また、中長期的に目指すまちの姿と方向性を共有することで、市民の関心を高め、官民連携によるまちづくりを推進しています。
都市計画を進めるには、地域の皆様の理解と協力が不可欠です。今回の視察を通じて、熊本市はまず市民との合意形成を重視し、そのための丁寧な情報発信に力を入れていることが印象に残りました。
災害に強い都市空間を整備する必要性を分かりやすく示すとともに、財政支援や建築基準の緩和によって実現可能性を示し、さらに「魅力と活力のあるまちづくり」将来像を、市民に分かりやすい言葉やイラストを用いて伝えています。その結果、多くの市民の理解と協力を得ながら、事業を着実に進めていることがうかがえました。
春日部市においても、まちづくりを進める際には、市民と将来像を共有し、分かりやすく丁寧な説明を重ねながら合意形成を図ることが、事業を着実に推進する上で重要であると感じました。現在、春日部市では中心市街地まちづくり計画が進められています。熊本市の事例のように、市民との対話を大切にしながら、将来のまちの姿を分かりやすく示し、多くの方々が期待と夢を持てるまちづくりを進めていくことが重要であると、改めて認識いたしました。

視察の様子