各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 国民民主党
- 視察先
- 和歌山県 和歌山市
- 視察案件
- 議会広報(SNSを活用した情報発信)について
- 実施日
- 令和8年7月7日
- 参加者氏名
- 遠藤 彩生
視察結果概要
(1)視察先の概要
・人口:約34.9万人(春日部市:約22.9万人)
・面積:208.84km²(春日部市:66.00km²)
・高齢化率:31.5%(春日部市:約31.4%) ※65 歳以上割合
・主要な観光資源:和歌山城・和歌山ラーメン
・和歌山市の偉人:松下幸之助・陸奥宗光・ほか多数
和歌山市は県庁所在地であり、昼間人口比率(令和2年度)は103.7%とベッドタウンの特徴をもつ春日部市(85.7%)と異なる都市構造を有しています。一方で、人口構造の課題など、本市と同様の課題を有すると考えられます。
また、同市議会が発行する「わかやま市議会だより」は、紙面の質の高さで全国的にも高く評価されています。中核市議会議長会が主催する「議会報コンクール」において、第14回(審査員特別賞)、第15回(優秀賞)、第16回(優秀賞)と3年連続で入賞を果たしており、全国の自治体議会から注目を集める議会広報の先進地です。
(2)視察内容
和歌山市議会における議会広報改革およびSNS 運用の取り組みについて視察を行いました。 同市議会では「市民との意見交換会」で寄せられた生の意見を発端として改革を始め、市民目線に立った具体的な改革として以下の3 点に取り組んでいます。
�@市議会だよりの見直し
市民との意見交換会を通じて「『見やすい、読みやすい、親しみのある紙面づくり』を目指す」という方針を確立しました。市民(学生、会社員、主婦など)の声を直接聴きながら改善を実施し、地元起業家との対談や地域資源に焦点を当てた企画性の高い「特集記事」を掲載するなどの工夫を重ねた結果、中核市議会議長会主催の「議会報コンクール」において3年連続入賞(第14 回審査員特別賞、第15 回優秀賞、第16回優秀賞)を果たし、全国的にも高く評価される広報紙へと生まれ変わりました。
�ASNS の導入
意見交換会の場で市民から寄せられた「時代はSNS、議会広報にもぜひ活用を」という声を受け、広報改革の第2 弾として各種SNS の導入が決定・推進されました。
Facebook(フォロワー数は中核市No.1)やInstagram(中核市初の導入)、YouTube チャンネル開設など、各プラットフォームの特性を整理・比較しながら、若年層をはじめとする幅広い市民へ議会情報を届ける体制を整備しています。
�B今後の挑戦
情報の発信だけに留まらず、主権者教育と連携した「新たな挑戦」を展開しています。
小学生親子を対象とした「親子DE 議会(自由研究ツアー)」や、中学生が議場の壇上で政策提案を行う「明日の和歌山市を築くジュニア会議」などを実施し、若い世代が政治や議会に「触れる・考える・参画する」機会を創出し、単に情報を「伝える」だけでなく、市民の心に「伝わる」質の高い議会広報を目指して挑戦を続けています。
(3)視察から得られた考察
和歌山市議会の取り組みは、市議会だよりの発行予算として約1,196万円(令和8年度)を計上し、各種SNS や動画・メディア展開を積極的に行う非常に先進的で充実したものでした。議会活動の「見える化」は現代において避けて通れない課題であり、本市議会としても、今後SNS の活用を含めた広報活動には本格的に取り組んでいく必要があります。この点、すでに先行してSNS 運用を開始している和歌山市からは次のようなリアルな課題を伺うことができました。
・フォロワー数・登録者数・アクセス数の伸び悩み
・掲載するネタ(内容)のマンネリ化
・一方通行のコミュニケーションになりやすい点 など
また、こうした課題を踏まえた今後のSNS 運営においては、「誰に向けて発信するのか」という『ターゲット設定』を明確にすることが極めて重要であるとの示唆をいただきました。「あらゆる世代に向けた発信」では誰にも響かない可能性があり、各種SNS ごとに届ける対象を絞り込む視点も不可欠であると感じました。
このように、すでにSNS 運用を開始し様々な取り組みを行っている和歌山市の「裏側の苦労や課題」を直接伺うことができたことは、これから導入を進める本市にとってかけがえのない知見であり、本市議会にとっても避けては通れないテーマであると強く感じてい
ます。本市においてもできるところから着実に議会活動の「見える化」を進めることが重要です。市民の皆様に関心を持っていただけるような、持続可能で効果的な議会広報・SNS 運用のあり方について、今回の視察で得た貴重な学びを活かし、今後しっかりと協議し実践につなげてまいりたいと考えます。

視察の様子