各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 国民民主党
- 視察先
- 大阪府 岸和田市
- 視察案件
- ・スマートシティの取組(避難所受付デジタル化実証実験)について
・まなび中央公園整備事業について
- 実施日
- 令和8年7月6日
- 参加者氏名
- 遠藤 彩生
視察結果概要
(1)視察先の概要
・人口:約18.5万人(春日部市:約22.9万人)
・面積:72.72km²(春日部市:66.00km²)
・主要な観光資源:岸和田だんじり祭・岸和田城
岸和田市は春日部市と同じ施行時特例市であり、人口規模(20万人前後)や市域面積、都心部へのアクセスの良さにおいて共通点が多い都市です。歴史文化や沿海部産業といった独自性を持つ一方、都市規模や行政課題の類似性が高いため、今回の視察案件である「防災DX」および「公園整備」は、本市への横展開・再現性が極めて高い取り組みであると考えます。
(2)視察内容
�@スマートシティの取組(避難所受付デジタル化実証実験)について
デジタル庁では、各人の健康状態やリスク、被害状況などに応じた対応を行い、命を守る防災行動や最適な支援を行うため、マイナンバーカードの活用等のデジタル技術を用いた災害対応の高度化に関する実証事業を行い、これらを活用した防災DXの推進に取り組んでいます。
岸和田市では令和6年3月に「スマートシティ構想」を策定し、令和7年3月に産学官推進協議会を設立しました。その設立にあたっての防災ワーキングとして、(株)インテックの提案による避難所受付アプリの実証実験を行いました。本市においても災害時の危機管理体制強化と避難所運営の効率化が不可欠であることから、岸和田市の実証データや運用のリアルな課題を調査し、本市の防災DX 推進の評価視点を得ることを目的として視察を行いました。
実証実験(参加者114名)では、「手書き」「QR コード」「マイナンバーカード」の3手法で受付時間を比較検証しています。
(受付完了までの平均時間)
手書き:1分10秒(15名)
QR コード:1分45秒(43名 / スマートフォン操作スキルに依存)
マイナンバーカード:9秒(56名 / 約87%の時間短縮を達成)
BI ツールの活用により、避難者数・年代・性別・収容率のリアルタイムでの可視化が可能となったほか、大阪広域データ連携基盤(ORDEN)を介した広域的な情報共有の有効性が確認されました。
�Aまなび中央公園整備事業について
本市では旧市役所跡地等における公園・賑わい拠点整備が進んでおり、全世代に愛される公園づくりの視点が求められています。岸和田市の「まなび中央公園」(競輪場跡地等を活用した約19ha の総合公園)では、若者の居場所づくりやスポーツ振興として「スケートパーク」「3×3バスケットコート」「ドッグラン」「ジョギングコース」等を整備しています。検討段階から関わる担当職員より、直営・指定管理等の運用実態や現場の課題を直接伺うことで、本市の公園整備における評価視点を得ることを目的として視察を行いました。
スケートパーク(約1,000�uフルコンクリート)は、初心者から上級者まで対応しており、以前は路上や他公園で滑っていた若者が集まるようになったため、地域での迷惑行為や騒音トラブル・苦情が激減しました。また、3×3バスケットコートは若者の気軽なスポーツ・交流の場として盛況であることが確認できました。運営面では24時間開放にすると夜間の溜まり場化やスケートボードの夜間騒音が発生するため、ルール厳守の啓発や自然とルールが守られる仕組みづくり(夜間は照明を明るくしない)などの工夫を行っています。
(3)視察から得られた考察
�@スマートシティの取組(避難所受付デジタル化実証実験)について
実験の結果、受付時間の短縮と避難所状況の可視化といった有効性が確認されたものの、全避難所への通信環境整備や災害時の運用体制、大阪府全体での共通システム導入の検討状況を総合的に鑑み、単独でのシステム導入は見送りとなりました。本市においても同様の課題が生じることが見込まれるため、埼玉県における避難所受付に関するデジタル化の動向を確認しながら、本市においても導入を求めていきたいと考えます。
�Aまなび中央公園整備事業について
まなび中央公園整備事業は岸和田市が独自に整備を進めた後、指定管理による運営を行っています。一方、本市における旧市役所跡地における公園整備事業はPark-PFI制度を活用しているため、整備事業の進め方に違いが生じると考えられます。この点、公園はすべての世代にとっての憩いの場として機能すべきであり、岸和田市の事例におけるスケートパークや3×3コートなどのストリートスポーツ施設は、若者の健全な居場所づくりや路上トラブル防止に大きな効果があることが示されています。全ての世代に愛される公園となるよう、施設デザインについても岸和田市のような好事例を参考により良いものとなるよう求めていきます。

視察の様子