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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
公明党
視察先
埼玉県 久喜市
視察案件
ICT教育支援について
心理的支援の視点で、子どもを孤立させないためのICT活用について
実施日
令和8年7月16日
参加者氏名
鈴木 一利、藤原 智子、島田 美智子、宗像 英男

視察結果概要

(1)視察先の概要
・人口:150,599人、面積:82.41㎢(令和8年6月1日現在)
久喜市立鷲宮西小中学校は、令和8年4月に開校した義務教育学校であり、小学校1年生から中学校3年生までの教育課程を採用しています。
 教育課程を、基礎・基本期(1〜4年生)、発展期(5〜7年生)、創造期(8〜9年生)の3段階に分け、子どもの発達段階に応じた切れ目のない教育を実践しています。 また、新校舎にはICT環境が整備され、大型電子黒板や一人一台端末などを活用した先進的な教育活動が行われているところです。

(2)視察内容
�@ ICT教育の推進
 久喜市では、一人一台端末を単なるICT機器としてではなく、「学び方を変えるツール」と位置付け、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に進めています。
 授業では児童生徒が主体となって学習を進め、教師は知識を一方的に教える立場ではなく、「学びをデザインし、支える存在」としてファシリテーターの役割を担っており、児童生徒は授業中に個別学習、ペア学習、グループ学習、対話、発表など、自ら学び方を選択しながら学習を進め、デジタル教材と紙の教科書を効果的に組み合わせて活用していました。
 また、学習履歴をデータ化・可視化することで、一人ひとりの理解度や学習状況を把握し、AIドリルやダッシュボードを活用して学習支援や授業改善につなげていました。
 さらに、生成AIを授業に積極的に取り入れ、歴史上の人物との対話を通して、多面的・多角的に考える授業を実践していました。
 児童生徒はAIとの対話を通して自分の考えを深め、根拠を持って表現する力や新たな視点に気付く力を育んでおり、教員についても体系的な研修制度を整備し、ICT活用や授業力向上、教育相談など継続した研修を実施することで、指導力の向上を図っていました。
その成果として、ICT活用は日常化され、児童生徒の「学びに向かう力」や「思考力・表現力」などの向上が見られ、学力向上にもつながっているとの説明がありました。

�A 久喜共同オンライン分教室(KDX)の取組
 久喜市では、不登校児童生徒の増加を背景に、「久喜共同オンライン分教室(KDX)」を開設し、ICTを活用した新たな学びの場を整備しています。
 KDXは、メタバース空間を活用したオンライン上の学級であり、自宅や教育支援センターなどから参加できる仕組みとなっており、児童生徒はアバターを操作して教室へ入り、Google Meetを活用して朝の会や授業、ホームルームへ参加することができます。
授業は実際の中学校教員が担当し、英語・数学・国語・理科・社会などを時間割に沿って実施しているほか、eスポーツ英会話など特色あるプログラムも取り入れています。
 また、学習ルーム、探究ルーム、相談ルーム、フレンドルームなど、多様な活動の場を設け、子どもの興味や状況に応じて自由に参加できる環境を整備していました。
 さらに、学校、教育支援センター、教育相談員、専門家チームが日常的に情報共有を行い、一人の児童生徒を継続的に支援する体制が構築されていました。
 保護者に対しても、専用ホームページやリーフレットを活用し、オンライン分教室や相談窓口について分かりやすく周知するなど、必要な支援が届くための工夫が行われていました。久喜市では、「No one left behind(誰一人取り残さない)」を教育理念に掲げ、オンライン学習だけでなく、居場所づくりや教育相談を含めた総合的な不登校支援を推進していることが大変印象的でした。

(3)視察から得られた考察
 今回の視察を通して、ICTは単に授業をデジタル化するためのものではなく、「子ども一人ひとりに合った学びを実現するための手段」であることを改めて認識し、不登校支援についても、オンライン授業だけではなく、子どもが社会とのつながりを保ち、安心して学び続けられる居場所や相談体制を一体的に整備することが重要であると感じました。
 特に、KDXでは、不登校の子どもたちが自宅などからオンラインで参加し、学習だけでなく、教職員や仲間とのつながりを保ちながら安心して過ごせる環境が整備されていました。子どもの状況に応じて、オンライン授業、KDX、プレイルーム、別室登校へと段階的に支援を行う仕組みが構築されており、「学校に戻すこと」を目的とするのではなく、子どもの心に寄り添いながら社会とのつながりを維持することを重視していました。
 また、学校、教育支援センター、教育相談員、専門家が連携し、一人ひとりに寄り添った支援を行っていたことが印象的であり、「誰一人取り残さない」という理念が実際の支援体制に反映されてもいました。
 春日部市においても、一人一台端末のさらなる活用や、学習履歴を生かした個別最適な学び、不登校児童生徒へのオンライン学習支援や居場所づくりなど、子ども一人ひとりに寄り添った教育環境の整備を進めていく必要があると認識しています。
 今回の視察で得た知見を今後の議会活動や政策提言に生かし、すべての子どもたちが安心して学び続けられる教育環境の充実に向けて取り組んでいきます。

視察の様子
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