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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
立憲民主党
視察先
北海道 長万部町
視察案件
「東京理科大学と連携したまちづくりの取り組み」について
実施日
令和6年7月10日
参加者氏名
大里 昇

視察結果概要

( 1 ) 視察先の概要
 長万部町は、渡島半島内浦湾の最奥部に位置し、東は内浦湾に臨み、北は長部川をさかのぼって島牧村・黒松内町に接し、西は今金町に南は八雲町に接しています。地形は概ね丘陸が起伏し、大部分が山地によって占められ平地は内浦湾に沿って帯状に分布し、長万部川、紋別川、国逢川沿いに平坦で肥よくな濃高地を有しています。海岸のほとんどは砂浜です。長万部町内には、JR北海道函館本線、室蘭本線が分岐し町内に5つの駅があります。国道は5号線、37号線、230号線の3本の主要幹線道路が集中し平成9年には高速自動車道長万部インターチェンジ、平成13年には国縫インターチェンジが開通しています。
 令和2年の国勢調査によると、人口は5,109人。内15歳未満が415人、15歳から64歳が2,507人65歳以上が2,088人と少子高齢化が進んでいます。世帯数は2,717世帯。函館と札幌の中間にあたり、古くから交通の要衝として栄え、令和12年度末には北海道新幹線の延伸に伴い、長万部町に新幹線駅が開業する予定であり、北海道の交通の重要拠点としての役割が一層高まる状況です。


(2)視察内容
 長万部町にキャンパスを構える東京理科大学は自律的で持続可能な社会の実現に向け、町と連携して様々な取り組みを実施しています。コロナウイルスの影響を受けた後の令和5年度から学部の編成に伴い、現在、経営学部国際デザイン、経営学科の新入生が長万部町で生活し、住民と活動することで、地域課題の解決する能力を養い、新幹線開業に向けた官民連携によるまちづくりのデザインを進めています。
 令和12年の北海道新幹線の駅開業に伴い、新駅を中心とした街の活気作りに取り組んでおり、今後検討が必要なこととして、いかにして町に来てもらうか、またリピーターとなってもらうかが重要になります。そこで、東京理科大学との連携を強化し、学生の能力を育みながら、地域のさらなる発展に寄与する取り組みを推進するためにも令和4年度は東京理科大学の学生が安心して街に暮らせるよう、生活環境の支援として、学寮内の温泉設備の改修も行い、令和5年度からは観光振興を図るため、行政と地域住民学生、そして企業が一丸となった地域の交流拠点づくりや企業に向けては、地域の人材を生かしたまちづくりに賛同いただき、町と連携した地域社会貢献事業への参加を募る取り組みも行っています。
 持続可能な賑わいと魅力ある地域交流拠点作りの実現のため、まちづくりワークショップを開催し、地域住民、東京理科大学の学生、企業が空家、空き店舗の利活用の検討を行い、町外、首都圏の企業の参入も視野に入れているとのことです。
 地域交流の促進として、『長万部毛がにまつり』 『長万部桜まつり』 等のイベントの発展や地域の魅力を積極的に発信し、新規のイベント作りに取り組んだり、東京理科大学と地元中学、高校間で出前授業の実施や、大学での学習内容を町で発表するなど互いに協力しながら教育連携も図っていくとのことでした。


( 3 ) 視察から得られた考察
 長万部町は少子高齢化や高度情報化、国際化、地球規模での環境問題、インバウンド観光客の増加や北海道新幹線開業に向けた工事の進展など、町を取り巻く状況が大きく変化している中で、様々な状況の変化に的確に対応しながら自立したまちづくりとこれまで以上に地域の特性を生かした個性溢れる魅力ある地域を形成していく取り組みは大変素晴らしいと感じました。 一方、急速に進む人口減少や、少子高齢化、都市部への人口流出など、喫緊の課題に対応するための重要施策に取り組んでいくことも避けては通れない大きな課題であると思われます。
 町内若手職員によるワークショップや町民に対するアンケート調査、パブリックコメントを実施するなど、多様な意見の反映に努められており、人口減少の危機を乗り越え、町を活性化していくためには、町民、NPO関係団体や民間事業者等の主体的な取り組みと相互に連携しながら様々な知恵を結集し、全町上げて目標達成に向けた施策を継続して推進していくことが重要であると感じました。

視察の様子
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