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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
新政の会
視察先
三重県 松阪市
視察案件
松阪農業公園ベルファームについて
実施日
平成25年2月7日
参加者氏名
滝澤英明、鬼丸裕史、金子 進、佐藤 一、山崎 進、川鍋秀雄、会田幸一、
岩谷一弘、山口泰弘

視察結果概要

(1)視察先の概要
 松阪市には国内最古の土偶が出土した粥見井尻遺跡や西日本最大級の祭祀場を有する国指定史跡の天白遺跡があり、この地域が縄文時代から繁栄していたことを物語っています。また、伊勢地方で最大規模の国指定史跡宝塚古墳(5世紀)から日本で最大の「船形埴輪」が出土し、伊勢平野の広い範囲に影響を及ぼしていた「王」が存在していたと推測されます。奈良・平安時代には、都と東国を結び、伊勢神宮を中心とする道路網が開かれ、伊勢街道や伊勢本街道が大和をはじめとする要所と伊勢を結ぶ街道として重要な役割を果たし、この地域の発展に大きく影響を与えました。そして、天正16(1588)年、蒲生氏郷の松坂開府により、伊勢街道が松坂の町中を通るようになりました。 その後、江戸期を通じて、和歌山街道と伊勢街道が合流する交通の要地であったことから宿場町として栄え、魚町・市場庄の家並みや波瀬の本陣跡は当時の繁栄を偲ばせます。明治、大正、昭和の時代を経て、現在では、国道23号、42号、166号が交差する交通の要衝として17万人余りが生活する地域を形成しました。平成17(2005)年1月1日に、松阪市・嬉野町・三雲町・飯南町・飯高町の1市4町が合併し、新しく生まれた松阪市は、南三重の中心都市としての役割を担い、更なる発展が期待されています。

(2)視察内容
 松阪農業公園ベルファームは、都市と農村の交流拠点、自然や農業について学ぶ体験施設として、農業をはじめとする地域産業の振興を支援し、市民の健康及び福祉の向上並びに地域の環境と調和した魅力あるまちづくりに寄与することを目的に設置されました。平成16年4月よりオープンし、公募によらない指定管理者「財団法人ベルファーム」 による3年間の運営を経て、平成19年から公募による指定管理者として「(株)松阪協働ファーム」が平成24年3月までの5年間の契約で運営していました。財団法人による3年間の運営では、松阪市からの助成金は毎年約1億円余りかかっていたようです。新たな指定管理者はその助成額をできるだけ減らす民間的経営感覚の工夫を続けながら、市が建設した農業公園の持つ食についての提案や環境にやさしいライフスタイルを提案していく、市民や利用者のための公園創りを目指して運営しているようです。
この5年間は、三育(食育・緑育・健育)をはじめとした、子供たちが楽しく育つ公園創りは不十分だったものの、市からの助成金は計画通り年間8千万円(19,20年)から5千万円(21,22,23年)に減らして何とか経営していけるようになってきたようです。
こうした運営と活動が認められて、24年度からさらに10年間の指定管理を任されることになったようです。
今後は、新たなビジネスモデルとして安定した経営基盤の構築を目指し、引き続き助成金を減らしていく努力は続けながらも、食育、緑育(環境教育)、健育をはじめとし、五方よしやグリーンビジネスなどCSR(社会貢献)活動や子供たちが楽しく育つ、公園創りに力を入れているようです。

(3)視察から得られた考察
 農業への関心がますます高まる昨今、2007年4月より「松阪農業公園ベルファーム」の管理・運営を担う(株)松阪協働ファームは、全国的に評価される農業公園の創出を目指し、「食育・緑育・健育」の理念に基づく公共性をもった活動と事業性・自立性の確保が共に満たされる組織となるべく、チャレンジを続けているようです。発展途上ではありますが、従来型の管理費の枠内で運営を担ってきた指定管理者でなく、民間の知恵と経験を活かして、自らが出資して新たな事業の創出を図っているようです。本来の指定管理者制度が目的としている管理費である市民の税金を減らしながら、サービスの向上に挑戦している様子がうかがえました。春日部市においても指定管理者制度を進めていく中で、事業者による積極的な事業の創出により管理費を抑える取り組みが非常に参考になりました。

視察の様子
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