首都直下地震、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震等の大規模地震やそれに伴う津波被害、近年激甚化、頻発化する豪雨災害などの大規模災害への備えが、ますます重要になってきています。
大規模な災害が発生すると、市街地をはじめインフラが壊滅的な被害を受けます。被災市町村は、復興まちづくり事業に取り組むことになりますが、市街地等の整備は産業や住宅、教育等の分野の基盤として他分野の復興まちづくり事業に先立って実施しなければなりません。そのためにも、早期の復興まちづくり計画の策定、事業着手・事業完了が求められています。
このため、事前に人口減少や少子高齢化社会を考え、復興後に想定される居住人口や産業の規模に対し、適切な規模での復興まちづくりの目標や実施方針を検討することは、被災後に復興まちづくり方針・計画を早期に策定し、適切な規模で被災地を復興し、より良い復興を実現するために重要な取り組みです。
また、大規模な災害が発生した際には、大規模災害からの復興に関する大規模災害復興法律に基づき、国は特別の必要があると認められるときは復興の基本方針を定めるとともに、都道府県においても復興方針を定めることができるとなっており、市町村でも、これらに基づき復興計画を作成することができるとしています。
国土交通省では、地方公共団体が復興まちづくりをイメージした目標像の検討や、その実施方針の検討等を通じた事前復興まちづくり計画の事前の策定に焦点をあてた「事前復興まちづくり計画検討のためのガイドライン」を策定しました。
一方、地方公共団体の復興事前準備の取組状況は、令和6年7月末時点で着手率が約67%となり、取り組みは一定程度定着してきていると考えられますが、復興体制や復興手順の検討にとどまっている現状です。
災後に迅速な復興まちづくりを行うには、平時から災害が発生した際のことを想定し、事前に体制と手順の検討、建物や土地利用状況などの必要なデータの整理、復興まちづくりの目標の検討などを行う復興事前準備に取り組むことが重要であります。
よって、政府におかれましては、事前復興まちづくり計画策定に対して防災・安全交付金による支援や、事前復興まちづくり計画策定を検討・実施する自治体に対する技術的助言などの支援の強化を求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年6月17日
春 日 部 市 議 会
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
国土交通大臣 様