請願第7号 義務教育費国庫負担制度の維持・拡充を求める請願
平成18年11月20日
松本浩一、卯月武彦
件 名
義務教育費国庫負担制度の維持・拡充について
要 旨
地方財政の負担を軽減するために、義務教育費国庫負担制度の維持・拡充をはかり、負担率を2分の1に復活することについて、国及び関係行政機関に対し、意見書を提出していただきたい。
理 由
義務教育費国庫負担制度は、日本国憲法第26条が定める「国民の教育を受ける権利」を保障し、教育基本法第3条に定める教育の機会均等を国の責任で財政面から支える根幹の制度です。この制度について、中央教育審議会も昨年10月26日に「負担率2分の1を含めて義務教育費国庫負担制度は、今後も維持されるべきである。」と制度の維持を求める答申を出しました。
ところが、政府は国庫負担金の負担率を2分の1から3分の1に引き下げました。これにより地方が負担する3分の2の財源は、税源移譲と地方交付税による調整に委ねられることになり、8割を超す道府県で財源不足が生じることが明らかになっています。税源移譲の配分額が仮に増額されても、それが教育予算に配分される保障はありません。削減され続けている地方交付税で調整するのであれば、自治体の財政能力の格差が、各地方の教育水準の格差拡大につながる懸念が生じます。
さらに、政府は義務教育費国庫負担金の地方交付税との一体化と同制度の廃止を検討していると伝えられています。そのようなことになれば、地方自治体の財政を大きく混乱させ、教育予算を多大に圧迫させることも避けられません。
教育に国民が大きな関心を寄せる昨今、地方に負担増を負わせず、国が財政面でも責任を持って義務教育を行うことは当然です。
以上のことから、貴議会がすべての子どもたちにゆきとどいた教育を保障する立場から、本請願を採択され、国および関係行政官庁に対して意見書を提出されるよう強く要請いたします。
地方自治法第124条の規定により、上記のとおり請願書を提出します。
平成18年11月20日