議第18号 米価暴落に対する緊急対策を求める意見書
昨年来、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外食を中心に米需要が大きく減少し、２０２０年産の米価は下落を続けました。
コロナ危機は今年に入っても長引き、需要は引き続き減少しています。農林水産省が公表した６月末の民間在庫量は２１９万トンと、適正在庫とされる１８０万トンを大幅に上回っています。今年、収穫期を迎えている産地では、「昨年の米が倉庫にいっぱい残っており、新米を入れる場所がない」という事態まで生まれています。
農業協同組合が生産者に渡す概算金が、埼玉県では１俵あたり８，３００円で昨年より約５，０００円の下落です。
米生産者はこの２０数年、米価の下落・低迷に苦しめられてきました。市場まかせの政府の米政策のもとで、かつて１俵平均で２万２，０００円を超えていたのが、今や１万円前後です。他方、農林水産省の調査では、米１俵を生産するのにかかる２０１９年産米の経費は、平均で１万５，０００円を超えています。米農家の大多数は赤字生産を強いられ、生産費が平均より高い中小規模や中山間地域の農家は、米代金では家族労働費どころか農機具、肥料などの物財費を補うことさえできない事態です。
よって、政府におかれては、下記の事項が速やかに実現されることを強く要望します。
記
１ 過剰在庫を政府が買い取り、市場から隔離すること。
２ 買い取った米を生活困窮者、学生、子ども食堂などへ大規模に供給すること。
３ ミニマム・アクセス米の輸入を中止すること。
４ 転作補助金の大幅拡充をすること。
５ 農業者戸別所得補償制度を復活すること。
以上、地方自治法第９９条の規定により意見書を提出する。
令和３年９月２１日
春 日 部 市 議 会
衆 議 院 議 長 様
参 議 院 議 長 様
内 閣 総 理 大 臣 様
内 閣 官 房 長 官 様
内 閣 府 特 命 担 当 大 臣 （経済財政政策） 様
財 務 大 臣 様
農 林 水 産 大 臣 様
