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意見書 議決結果

詳細情報

件名

議第15号 民法第750条を改正し、選択的夫婦別氏制度の導入を求める意見書

本会議議決結果

議決日
令和3年9月21日
議決結果
否決

内容

 最高裁大法廷は6月23日、夫婦同姓を強制する民法と戸籍法の規定を「憲法第24条に違反しない」と判断しました。選択的夫婦別姓を求める世論の広がりにもかかわらず、2015年の最高裁判決で「合憲」とした判決を踏襲したことは極めて遺憾です。
 今回の決定は、都内の3組の事実婚カップルの申し立てについて出されたもので、3組のカップルは、夫婦同姓を求める民法第750条の規定は「法の下の平等」を保障する憲法第14条と、「婚姻の自由」を定めた同第24条に違反すると訴えていました。
 今回、最高裁大法廷は、2015年の最高裁判決以降にみられる諸事情を踏まえても判断を変更すべきものとは認められないとして、両規定を合憲としました。しかし、大法廷の15人の裁判官のうち4人が「違憲」と判断したことは注目されます。違憲とする意見では、氏名は個人として尊重される基礎であり、個人の人格の象徴だと明確に指摘し、婚姻に際してどちらかに改姓を強制する現行制度は、以前の自分が消えるような喪失感を与えるものであり、個人の尊厳とは相いれないことを浮き彫りにしました。
 また、夫婦別姓を受け入れない限り結婚の意思を法的に認めないという制約は、婚姻は両当事者の合意のみに基づいて成立すると定めた憲法第24条に反する不当な国家介入にあたるという主張も示されました。家族の在り方は多様化しており、夫婦同姓の例外を許さず、別姓の選択肢を設けていないことは第24条に反するという意見も表明されました。
 今や選択的夫婦別氏制度の導入に賛成は、国民世論の7割に広がっています。夫婦同姓を義務づけている国は、世界で我が国だけです。
 最高裁の多数意見も、民法第750条を憲法に違反するものではないとしたものの、同時に「夫婦の氏についてどのような制度を採るのが立法政策として相当かという問題と、夫婦同氏制を定める現行法の規定が憲法第24条に違反して無効であるか否かという憲法適合性の審査の問題とは、次元を異にするものである」、「制度の在り方は、平成27年度大法廷判決の指摘するとおり、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならない」と重ねて指摘しているところです。
 法務大臣の諮問機関である法制審議会が1996年に選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正要綱試案を答申してから既に四半世紀が経過し、これまで議論が尽くされてきたにもかかわらず、国会がこれを放置してきたものであって、これ以上、議論を先延ばすことは到底許されません。
 よって、政府並びに国会におかれましては、民法第750条を速やかに改正し、選択的夫婦別氏制度を導入するよう強く要望します。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年9月21日

                                  春 日 部 市 議 会

衆 議 院 議 長  様
参 議 院 議 長  様
内 閣 総 理 大 臣  様
法 務 大 臣  様

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