春日部市議会トップ

意見書 議決結果

詳細情報

件名

議第10号 教員免許更新制の廃止を求める意見書

本会議議決結果

議決日
令和3年6月17日
議決結果
否決

内容

 萩生田光一文部科学大臣の諮問を受けて、「教育職員免許更新制」の見直しを議論している中央教育審議会は、今年5月24日、同制度を「存続するか廃止するか」の結論を次回の委員会で出す方針を明らかにしました。教育職員免許更新制については、現場の過重負担などから教育関係団体や自治体などからも廃止を求める要望が出され、今年3月、萩生田文部科学大臣から、制度の「抜本的な見直し」について早期に結論を出すよう同審議会に諮問されていたものです。
 教育職員免許更新制は、第一次安倍晋三内閣の「教育再生会議」などの提言を受け2009年度から導入され、一度取得すれば生涯の資格となる従来の仕組みと異なり、10年に1回、30時間程度の「更新講習」を受講しなければ、教員免許が失効する仕組みとなっています。
 しかし、実施から10年あまり、制度の行き詰まりが誰の目にも明らかになってきています。何より、教員不足を深刻化させ、産休・育休や病休の教員に替わる臨時教員が見つからなくなるなどの事態を生んでいます。また、50歳代で免許更新を迎え、そのまま退職する教員も少なくありません。さらに、教育職員免許を期限付きとしたことで学生の教育職への意欲を低下させ、結果として教員不足を招き、少人数学級実施の足かせともなっています。
 一方、教員の負担も深刻です。異常な長時間労働が改善されないもとで、自ら休みをとって受講し、受講料、交通費、場合によっては宿泊費まで自己負担する「更新講習」は、経済的にも物理的にも大きな負担となっています。全国市長会は「教職員の負担感はかなり大きく、研修に関する満足度は低い」と批判し、全国高等学校PTA連合会も、不都合が多いとして廃止を求めています。
 教育職は、「厳しい不断の研究により得られ、かつ、維持される」専門職です。(ユネスコ「教員の地位に関する勧告」1966年)。子どもの権利や個人の尊厳への思索、各教科を教えるための豊かな知識、人生に対するさまざまな経験、現代社会の諸問題への関心、そうした知識技能は絶えざる研究・修養全体で維持されていくものです。
 よって、国は、現場教員の意見をありのままに把握し、制度の廃止に踏み切るよう強く要望します。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年6月17日

                                    春 日 部 市 議 会

衆 議 院 議 長 様
参 議 院 議 長 様
内 閣 総 理 大 臣 様
文 部 科 学 大 臣 様

メニュー