各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 新政の会
- 視察先
- 静岡県 伊豆の国市
- 視察案件
- Park-PFI事業(狩野川神島公園)について
- 実施日
- 令和7年10月2日
- 参加者氏名
- 山崎 進、鬼丸 裕史、水沼 日出夫、石川 友和、山口 剛一
視察結果概要
(1)視察先の概要
伊豆の国市は、静岡県伊豆半島の北部、田方平野のほぼ中央に位置し、東に箱根山系、西に葛城山・城山を望み、中央を清流・狩野川が流れる自然豊かなまちです。平成17年(2005年)4月1日に、旧伊豆長岡町・韮山町・大仁町の3町が合併し誕生しました。市域の面積は約94.6㎢で、地勢は盆地的な平地と山地が調和し、温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれています。
人口は令和7年(2025年)5月現在でおよそ4万4,000人、世帯数は約1万9,000戸です。近年は全国的な傾向と同様に高齢化が進む一方で、自然や温泉といった地域資源を活かした移住・定住促進策にも取り組んでいます。
気候は年間を通じて温暖で、平均気温はおおむね15から16℃、年間降水量は約2,200oとされています。市内には豊かな森林と水辺環境が広がり、狩野川流域を中心に多様な生態系が保たれています。
産業構造としては、第1次産業が約6%、第2次産業が約32%、第3次産業が約62%を占めており、観光やサービス業が地域経済を支えています。特産品としては、いちご、みかん、スイカ、鮎、温泉まんじゅうなどが知られています。
観光面では、全国的にも名高い伊豆長岡温泉をはじめ、世界文化遺産に登録されている韮山反射炉、国宝・運慶作の仏像を安置する願成就院、江川邸など歴史的・文化的資源が豊富です。また、市内各地からは富士山を望むことができ、伊豆半島ジオパークの一部として自然景観にも恵まれています。
交通面では、伊豆箱根鉄道駿豆線が市内を縦断し、国道136号線などの主要幹線道路が整備されています。東京からはおよそ100q圏内に位置し、東海道新幹線や東名高速道路を利用すれば2時間程度でアクセスできる利便性を有しています。
このように、伊豆の国市は、温泉・歴史・自然という三つの魅力を兼ね備えた地域であり、観光を基盤としつつ、地域資源を活かしたまちづくりを進めている自治体です。
(2)視察内容
Park-PFI事業(狩野川神島公園)について、事業目的と経緯、計画策定プロセス、経済的効果と収支、運営・維持管理、公園利用者の反応と課題、他の公園への応用可能性等、Park-PFI事業に対する調査目的としています。
(3)視察から得られた考察
春日部市では、旧市役所跡地を活用し、民間活力を導入した「Park-PFI」方式による公園整備を予定しています。そこで今回は、同様の手法で既に実施されている伊豆の国市の狩野川神島公園を視察し、実際の運営状況や課題について学ぶ機会をいただきました。
Park-PFI事業とは、民間事業者の企画力や資金力を活かして公園整備を行い、その一部の収益施設を民間が運営することで、公園全体の維持管理費を賄う仕組みであります。行政単独では生み出しにくい魅力的な空間づくりが期待できる反面、事業者にとっては初期投資が大きく、採算性の確保が課題となっております。
伊豆の国市においては、委託事業者が当初5年間は毎年約1,000万円の赤字を見込む一方、5年後には黒字化を目指すという強い意志をもって事業に臨んでいると説明をいただきました。その根拠については明確には聞けなかったものの、それほどのリスクを取ってでも地域に関わろうとする企業の姿勢は、まちの魅力を引き出すうえで大変心強いと感じました。
また、伊豆の国市では国土交通省の「かわまちづくり支援制度」を活用し、狩野川を中心とした水辺空間の整備を進めています。オフロードコース、多目的広場、ドッグラン、芝生広場など多様な利用が可能な公園として整備され、地域の祭りや商工祭、気球体験、マウンテンバイク講習会など、100を超える店舗が出店するイベントも開催されています。こうした取り組みは、地域活性化や観光振興、さらには健康増進にも寄与しており、民間と行政が連携して地域のポテンシャルを引き出す好例といえます。
一方で、自然環境を活用する事業にはリスクも伴います。令和5年10月の供用開始直前には、台風15号による河川増水で河川敷が損傷する被害が発生し、国土交通省による堤防の約2mの嵩上げ対策が行われていたものの、自然の力の大きさを改めて認識させられる事例でもあります。
今回の視察を通じて、公園整備における民間活力の可能性とともに、立地条件や自然環境への配慮の重要性を改めて感じました。春日部市におけるPark-PFI事業は約1haという限られた敷地での整備が予定されていますが、駅近という好条件を最大限に活かし、民間事業者にとっても、市民にとっても、双方にとって価値ある「Win-Win」の空間づくりが実現することを期待しています。
さらに、伊豆の国市のような河川を活用した整備は、春日部市でも江戸川や古利根川沿いでの展開の可能性を感じさせるものであり、今後の公園整備の在り方を考えるうえで大いに参考となる視察でありました。

視察の様子