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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
立憲民主党
視察先
岡山県 倉敷市
視察案件
「災害時の対応・対策」について
実施日
令和7年7月10日
参加者氏名
大里 昇

視察結果概要

(1)視察先の概要
 岡山県倉敷市は、瀬戸内海に面した豊かな自然と、瀬戸内海特有の温暖で降水量が少ない気候が特徴の都市です。面積は約356.07㎢、人口は約473,670人(2024年12月推計人口)です。白壁の景観が美しい倉敷美観地区、繊維産業の街でジーンズが有名な児島、近代的な工業都市と農村が共存する水島や玉島など、地域ごとに多様な顔を持つことが特徴です。交通利便性も高く、商業施設も充実しており、豊かな歴史と文化、多様な産業が共存する魅力的な都市です。
 江戸時代には幕府の直轄地「天領」となり、倉敷川を通じた水運で物資の集積地として発展しました。江戸時代の綿花栽培開始以降、国内初の民間紡績所や倉敷紡績所が開業し、日本有数の「繊維のまち」となりました。
 白壁の商家と洋風建築が調和した倉敷美観地区には大原美術館などの文化施設があり、多くの観光客が訪れています。


(2)視察内容
 倉敷市の災害時の対応と対策は、市民ができる備え、市が実施する訓練、そして市全体の災害情報システムの3つの要素で構成されています。市民は避難場所や経路の確認、防災情報の収集、日頃の家族との連携を決めておくことが重要です。
 倉敷市は「一斉地震対応訓練」などを通して、市民の防災意識と行動力を高め、市民が連携して防災力を強化しています。この訓練は、市民が「自分自身の安全は自分で守る」ことを身に付け、災害があっても「ケガ」をしないことを目指しています。
 市の公式ウェブサイトでは避難情報の発令状況を確認できるほか、災害発生時には避難誘導、支援、災害廃棄物処理などの役割を担っています。
 倉敷市における過去の被害としては、2018年7月の西日本豪雨で74人が犠牲になった真備地区の大規模な浸水が最も甚大でした。また、過去には複数の水害記録があり、1972年(昭和47年)の豪雨でも甚大な浸水被害や土砂崩れが発生しています。


(3)視察から得られた考察
 ハザードマップは一般的に「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所、避難経路等の防災関係施設の位置などを表示した地図」であり、その情報は災害時の住民の安全確保に役立つことが期待されています。倉敷市における災害対策においても、「わかる」「伝わる」必須のハザードマップの周知と十分な活用が重要とのことでした。さらには視覚障がい者や聴覚障がい者などの協力を仰ぎ、あらゆる主体に向けたハザードマップのさらなる普及に努めています。水害ハザードマップの作成や被害軽減に向けた活用促進により、倉敷真備町では犠牲者の80%が高齢者であるなど、要配慮者の被災があとを絶ちません。気候変動によって水害の頻発化・激甚化が進む日本において、ハザードマップがあらゆる主体の避難行動に有効に活用され、減災につながることが大切だと思います。

視察の様子
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