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各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書

視察報告書

委員会名・会派名
立憲民主党
視察先
広島県 尾道市
視察案件
「地域共生・重層的支援の取組」について
実施日
令和7年7月8日
参加者氏名
大里 昇

視察結果概要

(1)視察先の概要
 広島県尾道市の面積は約284.89㎢、人口は121,658人(2025年7月時点の推計人口)です。尾道は東京より西へ直線で約600q、大阪より約200qの広島県東部に位置し、温暖な港町です。近畿と九州、山陰と四国を結ぶ「瀬戸内の十字路」として発展してきた尾道は、現在でも交通の拠点として重要な位置を占めています。
広島県尾道市は、瀬戸内海の多島美、歴史的な街並み、自然、豊かな山々、サイクリングコース「しまなみ街道」が特徴の都市です。レモンなどの柑橘類や海産物の名産地であり、アニメや映画のロケ地としても知られています。また、日本遺産に数えられる歴史や文化など、多様な魅力を持つ地域です。
さらに、尾道市街地は尾道水道に面し、山に挟まれて箱庭的な景観が特徴的な都市で、坂が多く家が密集しています。
 名物グルメとしては尾道ラーメンやはっさく大福、瀬戸内産の海産物などが有名で、食文化も尾道ならではの魅力となっています。


(2)視察内容
 広島県尾道市における地域共生・重層的支援体制の整備事業は、地域で様々な困難を抱える人々に対し、断られることなくつながり続ける支援を提供することを目的としています。具体的には、属性を問わず相談支援、参加支援、地域づくり支援の3つの柱を一体的に実施し、地域住民や関係機関と連携しながら地域資源を活用した包括的な支援体制を構築しています。
 複合的な困難を抱える人が地域の中で生活できるよう、重層的支援体制の整備が急がれていますが、全体像が掴みづらく、アウトリーチの方法や民間との連携、伴走型支援のあり方や地域づくりなどに課題も多くあります。地域共生社会に向けた取り組みを部署横断的に行うことで、分断やたらい回しの起こらない体制づくりを行っています。


(3)視察から得られた考察
 尾道市が「地域共生・重層的支援の取り組み」から得られる考察としては、高齢化と人口減少が進む中で、従来の縦割り型支援では対応しきれない多様な困難を抱える人々に対し、属性を問わず相談窓口、参加支援、地域づくり支援の3つの支援を一体的に実施することで、断らない「つながり続ける支援体制」の構築が不可欠であるということです。
 具体的には、関係機関が連携し民生児童委員や地域住民も交えた支援会を通じて、地域全体で支え合う仕組みが求められていると思います。また、社会福祉法の改正により重層的支援体制整備事業が創設されました。この事業の創設は、これまでの福祉制度・政策と人々の生活そのものや、生活を送る中で直面する困難や生きづらさの多様性・複雑性から生じる様々な支援ニーズとの間にギャップが生まれていることを踏まえたものだと思います。
 これまでの福祉政策が整備してきたこども、障がい者、高齢者、生活困窮者といった対象者ごとの支援体制だけでは、人々の様々なニーズへの対応が困難になってきている今、社会の変化に伴って生じている課題とこれからの可能性の両方に目を向けたうえで、重層的支援体制の整備をより計画的に進めていくことが、各自治体においても重要課題だと思います。

視察の様子
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