各常任委員会、議会運営委員会、各会派 行政視察報告書
視察報告書
- 委員会名・会派名
- 公明党
- 視察先
- 大阪府 門真市
- 視察案件
- 公民連携子どもの居場所「子どもLOBBY」について
- 実施日
- 令和7年8月5日
- 参加者氏名
- 鈴木 一利、栗原 信司、荒木 洋美、木村 圭一、藤原 智子、中村 貴彰
視察結果概要
(1)視察先の概要
門真市は、大阪府の北東部に位置する都市で、面積は約12.30㎢、人口は約12万人です。市内には大手電機メーカーの本社が所在しており、企業城下町として高度経済成長期以降に急速な発展を遂げました。
交通面では、京阪電気鉄道や大阪モノレールが乗り入れており、都市機能がコンパクトに集約された利便性の高い地域です。かつては大阪市に隣接するベッドタウンとして住宅地中心の性格を持っていましたが、近年は社会情勢の変化に伴い人口流出が進み、相対的貧困率の上昇が顕著となっていることが課題とされています。市ではこうした状況を踏まえ、地域福祉やこどもの居場所づくりなど、官民連携による新たな取り組みが進められています。
(2)視察内容
門真市における公民連携事業「子どもLOBBY」について、現地で視察を行いました。本施設は、商業施設内に設置されたこどもの居場所であり、家庭や学校以外の“第三の居場所”として、放課後や休日に自由に過ごせる空間を提供しています。IKEA鶴浜による温かみのある空間デザインや、地域企業・団体との連携による設備提供など、民間の力を活かした特色ある取り組みが印象的でした。
導入の背景には、門真市の相対的貧困率の高さがあり、こどもの孤立防止と非認知能力の育成を目的として、行政と企業が協定を結び、施設の無償提供やキャリア教育イベントの実施などが行われています。
継続的な資金確保や支援人材の育成、利用者層の拡大などが今後の課題とされており、官民の連携強化と情報発信の工夫が求められているとのことです。本市においても、商業施設等を活用した柔軟な居場所づくりの参考となる事例でした。
(3)視察から得られた考察
門真市における公民連携事業「子どもLOBBY」は、駅前商業施設内のスペースを企業や地域団体が無償で提供し、市が運営を担うことで、こどもたちに安心して過ごせる居場所を提供する取り組みです。子育てに理解のある地域ボランティアが常駐し、宿題や遊びを見守るほか、企業の協力を得て職業体験や出前講座など多様なプログラムが実施されており、こどもの非認知能力の育成にも寄与しています。
現在、本市においても地域住民の協力を得ながらこどもの見守り活動や居場所づくりを進めておりますが、見守り人材の確保に課題を感じている状況です。その点において、門真市のように企業や教育関係者との連携を図ることで、持続可能な体制の構築が可能であると感じました。特に、教育現場を退いた教職員OBが中心となってリーダーシップを発揮している点は、後継者育成に悩む本市にとっても参考となる視点です。
また、春日部市にはSDGsパートナーとして市の事業に関心を寄せる企業も多く、今後は官民連携による新たな子育て支援の展開が期待されます。企業の協力と人的交流を活かしたネットワークづくりは、こどもたちにとって安心できる環境の整備につながるものであり、今回の視察は非常に有意義な機会となりました。

視察の様子