議第12号 すべてのケアラーに対する包括的な支援と法的枠組みの整備を求める意見書について
近年、家族等の介護や世話を無償で担う「ケアラー」の負担が深刻な社会問題となっています。ケアラーが抱える問題は、肉体的な疲弊にとどまらず、精神的な孤立、経済的な困窮、そして学びや就業の機会喪失など、人生のあらゆる局面に多大な影響を及ぼしていて、とりわけヤングケアラーについては、法改正により、国および地方公共団体による支援が法的に義務付けられたところです。
一方で、ケアラーはこどもに限られるものではなく、働きながら家族を介護するワーキングケアラー、育児と介護を同時に担うダブルケアラー、高齢の配偶者を支える高齢ケアラーなど、その実態は多様化・複雑化しており、誰もが当事者となり得る状況にあります。
国においても、「経済財政運営と改革の基本方針2025」において、年代や就労の有無を問わずケアラー支援の必要性が明記されましたが、現在の取組は地方公共団体への支援にとどまり、ケアラー全体を対象とした包括的な法制度は未だ整備されていません。
現在の支援は、介護、障害、子育てなどの制度の枠組みごとに分かれており、ケアラー本人への支援は十分とは言えず、地域や自治体によって支援内容にも差が生じています。
よって国においては、すべてのケアラーが個人の尊厳を保ち、社会から孤立することなく、安心して生活し、就労や学びなど社会参加を継続できるよう、下記の事項について速やかに取り組むよう強く求めます。
記
1 ヤングケアラーに限らず、すべてのケアラーを対象とした包括的な支援の基本理念を明確にすること。
2 ケアラーを支援するための実態把握、相談支援、情報提供、休息の確保等について、分野横断的に取り組む法的枠組みを整備すること。
3 地方公共団体が地域の実情に応じた支援を安定的に実施できるよう、必要な財政措置を講じること。
4 ケアラー支援に関する国民の理解を深めるための普及啓発を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年6月18日
春 日 部 市 議 会
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
財務大臣 様
厚生労働大臣 様
文部科学大臣 様
内閣府特命担当大臣(こども政策) 様